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弦楽器習い始め(楽器選び) [音楽]

4月始まりの日本では、毎年この時期に新しく何かを始める方も多いと思います。
私が教えに行っている講座や音楽教室でも、この時期フレッシュマンやフレッシュウーマン、フレッシュボーイ、フレッシュガールが入会なさいます。
「まず、どういう物を揃えたらいいんですか?」というご質問が多いので弦楽器初心者の方のために簡単にお薦めの品をご紹介しましょう。

まず、何はさておき第一に楽器についてです。
これは個人個人のご予算や好みもあります。
1つ言えることは必ず楽器のことをよく知っている方に一緒にお店に行ってもらい選んでもらうということ。
レッスンを始められる方は教えて頂く先生に同行していただく、もしくは先生にお願いして選んで頂いた物を購入しましょう。
事前に先生にご自分の予算と好みがあれば「○○製の楽器を希望」などと伝えておけばよいでしょう。

私の場合は生徒さんと一緒にお店に選びに行くか、私が選んだ物をお薦めしています。
選ぶ時は生徒さんのご予算に合った楽器をお店に数台用意して頂き、その数台を時間をかけて何度も試奏して選びます。

初心者の方が勘違いなさることが多いのは、楽器本体と弓はセットだと思っていらっしゃること。
確かに楽器は「楽器本体」「弓」「ケース」の3点セットで販売されていることも多いのですが、それは販売上の便宜上だけのもので、実は「楽器本体」と「弓」は、別々に選ぶべきものなのです。
楽器本体と弓には「相性」というものがあり、どんなに良い高級楽器であっても弓のレベルが低いと良い音が出ません。
逆に弓が良くても楽器が悪いと、これもまたダメ。
また難しいことに高級な楽器と高級な弓を組み合わせればそれで良しかというと、そうもいかないことがある場合があるのが、この「楽器選びの難しさ」です。
私が楽器を選ぶ時は複数の楽器と弓を順列組み合わせで何通りも弾いて馴染ませてみて、その中から相性の良い物を選んでいきます。

選び方は音の響き具合と楽器の将来性を見越す力、弓との馴染み具合など複数のポイントを抑える必要があります。
楽器の将来性というのは、楽器というものは木で作られていますので、木の乾燥具合や何度も演奏されることによって響きを増していくなど今の状況と将来の状況が確実に変わっていく物なのです。
そのため、現時点での楽器の状態が全てではなく、将来的にこの楽器は響きが良くなっていくものか、またこの楽器は今が最高の状態で将来的には良くならない物なのか、を判断しなければならないのです。
家よりも高価な楽器というものは、そういう全ての条件をクリアして素晴らしい音色を作り上げる楽器だからこそ、そういう値段が付けられているのです。

学校教育の受験競争でよく「偏差値で志望校を決めてはいけません」といわれているのと同じで楽器も「値段で楽器を購入してはいけません」必ず楽器のことが判る方に試奏してもらい楽器の価値を判断してもらい購入することです。
楽器選びには時間がかかりますのでお願いする方の時間のある時に選んでいただくのが一番でしょう。

通信販売やネット上で購入なさる場合は、返品可能なお店を選ぶ方が無難でしょう。
予算だけで一台を注文し、期待通りの楽器が届くかどうかは一種の賭けと同じです。
極端な話同じメーカーの同じ値段の楽器でも全く質が違うことがあります。
いわゆる「当たりはずれ」があるのです。

本屋さんには楽器選びの本が沢山出版されていますが、実際に選べるようになるには長年の勘と多くの経験が必要です。
例えば独奏専用の楽器にするのかアンサンブル(合奏)中心の楽器にするのかによっても選ぶ楽器が変わってきますので、お願いする方に「将来はアマチュアオーケストラに入りたい」とか「個人で楽しむだけでいい」とかご自分のレッスンに対する将来的な希望もお伝えしておくと参考になります。

参考までに有名ブランドの商品をリンクさせておきますが、これもあくまで参考ですので、ご購入なさる場合はご自分の先生にご相談なさるのがベストです。

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くるみ

お、お、奥が深い・・・。

なんか読んでてさぁ、アルトが一生懸命に生徒さん達の楽器を選んであげてる姿が重い浮かんだよ。
セットになってるもんだと、実はアタシも思っていたわ。そうか・・・別々なのね。
でも、良く考えたらそうよな。個別に作ってるんだろーし、相性の問題が一番難しいだろーしなぁ。
うんうん、勉強になりました。

全然種類が違うけど、アタシも過去スキー板を選ぶのに、友達がインストラクター出来る人でね。引きずって行って選んでもらったの。
やっぱりプロは選び方から違うのを実感した覚えがあるよ。
板とストックもセットじゃなくてさ、別々に選ぶの。ビンディング(板に付ける、靴を乗せて固定する部品ね)はスキーの命だから、良い物を選ばなくちゃなんないって・・・。
なんだか、あの時の事を思い出したわ。

しかし、奥が深い・・・楽器選び。

アルト・・・すげぇなぁ(*^_^*)またまた、尊敬♪♪♪
by くるみ (2006-03-28 16:14) 

ガルボ・アルト

うんうん。スキーやスポーツ用品なども全て同じだと思うわ。
過去に通信販売の格安楽器を持って来られて絶句したことが数回。
通信販売全ての商品を否定する気など全くないけど、0(ゼロ)が2つも3つも違うような格安の楽器は、まさに「安物買いの・・・」になります。
あれはただの「ディスプレイ」にしかなりません。
楽器選びは本当に神経を使います。
生徒さんの楽器を選ぶ場合、生徒さんの予算内で上質で将来的に有望な物を選ばなければならないので自分の物を選ぶより一層プレッシャーがかかります。
高級楽器を選ぶ時は何度もいろいろな楽器を取り寄せてもらい、イメージに合った物が入荷されるまで妥協はしません。
楽器との出会いはまさに「一期一会」
出合った時が買い時で、欲しい時すぐに買ってしまうと失敗する場合もあります。
自分の理想の楽器と出会えるまでじっと待つことも重要。
千住真理子さんが有名なストラディバリウスを購入されたエピソードがその良い例です。
by ガルボ・アルト (2006-03-29 18:52) 

ガルボ・スノー

まさに弘法筆を選ぶですなあ。
by ガルボ・スノー (2006-05-01 01:34) 

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